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AIエージェントにWebサイトを「理解」させる新常識 WebMCP 徹底解説
AIエージェントにWebサイトを「理解」させる新常識 WebMCP 徹底解説
最近、AIエージェントがWebサイトを操作する様子を目にする機会が増えました。しかし、これまでのAIは画面のスクリーンショットを撮って、視覚モデルを通して「どこにボタンがあるか」を推測するという、非常に効率の悪い方法に頼っていました。この方法は動作が遅く、UIが数ピクセル動くだけで失敗する可能性がありました。
そんな中、GoogleやW3Cのコミュニティが中心となって提唱しているのが WebMCP (Web Model Context Protocol)です。今回は、次世代のWeb標準となる可能性を秘めた WebMCP について、その仕組みや使い方を分かりやすく解説します。
WebMCP とは何か
WebMCP は、WebサイトがAIエージェントに対して、自分たちが持っている機能やデータを「構造化されたツール」として直接伝えるためのオープンなプロトコルです。
これまでのAIエージェントは人間と同じようにUIを目で見て判断していましたが、WebMCP を使えば、Webサイト側から「このボタンは航空券の予約用です」「この入力欄には出発地を入れてください」とAIに直接、正確な情報を伝えることができます。WebMCP は、AIとWebサイトの間に直接的な通信チャネルを構築します。
WebMCP の実現原理:なぜ高性能なのか
WebMCP の最大の特徴は、従来の「視覚的な認識」から「構造的な対話」への転換にあります。
- 直接的な通信: WebMCP は、AIが画像を処理する手間を省き、JSONベースのスキーマでやり取りします。これにより、計算コストを約67%削減し、タスクの精度を約98%にまで向上させることができます。
- ブラウザが仲介: WebMCP はブラウザレベルの標準として動作します。ユーザーがブラウザでログインしているセッションやCookieをそのまま利用できるため、AIが改めてログインし直す必要がありません。
- 安全性の確保: WebMCP は「許可制」を重視したプロトコルです。AIが航空券の予約などの重要な操作を実行する前に、ブラウザがユーザーに対して確認を求める仕組みになっています。
WebMCP 導入チュートリアル:サイトをAI対応にする方法
自分のWebサイトを WebMCP 対応にするには、主に2つのアプローチがあります。
1. 宣言的API(HTMLだけで対応)
既存のHTMLフォームに属性を追加するだけで、AIエージェントがその機能を理解できるようになります。
- 方法:
<form>タグの中にtoolnameやtooldescription属性を記述します。 - コード例:
<form toolname="flight_booking" tooldescription="航空券を予約するツール"> <input name="origin" type="text" toolparamdescription="出発地"> <input name="destination" type="text" toolparamdescription="目的地"> <button type="submit">予約</button> </form>
この属性を追加するだけで、ブラウザが自動的にスキーマを作成し、AIエージェントに伝えてくれます。また、AIが送信した場合は SubmitEvent.agentInvoked イベントが発生するため、人間による操作と区別することも可能です。
2. 命令的API(JavaScriptで柔軟に対応)
より複雑なワークフローや動的な操作が必要な場合は、JavaScript APIを使用します。
- 方法:
navigator.modelContext.registerTool()メソッドを使用してツールを登録します。 - コード例:
navigator.modelContext.registerTool({ name: 'add_to_cart', description: '商品をショッピングカートに追加する', inputSchema: { type: 'object', properties: { productId: { type: 'string' }, quantity: { type: 'number' } } }, execute: async (args) => { // カート追加のロジックを実行 return { success: true }; } });
WebMCP を通じてこのようにツールを登録することで、AIエージェントはWebサイト内の特定の関数を直接呼び出せるようになります。
WebMCP の主な活用シーン
WebMCP の導入により、Web上でのAIエージェントの体験は劇的に向上します。
- Eコマース: ユーザーが「来週の旅行用に青いスニーカーを買っておいて」と頼むと、AIが WebMCP を通じて商品を検索し、オプションを選択してチェックアウトまで正確に進めます。
- カスタマーサポート: 技術的な詳細をAIが WebMCP 経由でサイトから自動的に取得し、不備のないサポートチケットを作成します。
- 旅行予約: 複雑なフィルタリングや検索条件を、WebMCP の構造化データを利用してAIが迅速に処理し、正確な予約を代行します。
まとめ
WebMCP は、Webサイトを単なる「画面」から、AIが使いこなせる「構造化されたツールボックス」へと進化させます。
現在、WebMCP は Chrome 146 以降の早期プレビュープログラム(EPP)で試用可能です。また、公式の対応を待たずに利用できる WebMCP ポリフィルも登場しています。AIエージェントを介してWebを利用する未来に向けて、今から WebMCP の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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