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Antigravityとは何か?なぜ注目されているのか
Antigravityとは何か?なぜ注目されているのか
Antigravityは、VS Codeをベースに構築されたGoogle純正のIDEです。しかし、既存のエディタと決定的に異なるのは、AIが「助手」ではなく「同僚」のように振る舞う点です。
通常のAIエディタは、あなたが書いているコードの続きを提案するだけですが、Antigravityは違います。Antigravityには「Agent Manager」という機能があり、ここにざっくりとした指示を出すだけで、AIエージェントがタスクの計画を立て、ファイルを編集し、ターミナルコマンドを実行し、さらにはブラウザを操作して動作確認まで行ってくれます。
つまり、Antigravityを使えば、あなたは「コーダー」から「マネージャー」へと役割をシフトすることになるのです。
Antigravity スタートアップガイド
それでは、実際にAntigravityをインストールして、簡単なWebアプリを作成する手順を見ていきましょう。今回は、公式デモでも紹介されている「フライトトラッカー(航空便追跡アプリ)」を作成してみます。
ステップ1:インストールと初期設定
まず、Antigravityの公式サイトからインストーラーをダウンロードします。Windows、macOS、Linuxに対応しています。
インストール後、Antigravityを起動すると、Googleアカウントでのログインを求められます。現在は個人のGmailアカウントで利用可能です。ログイン後、VS CodeやCursorの設定をインポートできるので、移行は非常にスムーズです。
ここで重要なのが「Terminal Execution Policy(ターミナル実行ポリシー)」の設定です。Antigravityのエージェントにどれだけの権限を与えるかを決めます。「Auto」にしておけば、基本的なコマンドは自動実行し、ファイルの削除などの危険な操作はユーザーに許可を求めるようになるため、これをおすすめします。
ステップ2:ワークスペースの作成と指示出し
Antigravityの左サイドバーにある「Open Folder」をクリックし、新しいフォルダ(例:flight-tracker)を作成して開きます。
次に、Antigravityの最大の特徴である「Agent Manager」画面を開きます。ここはチャット画面のようになっていますが、単なるチャットではありません。ここで以下のように指示を出してみましょう。
Next.jsを使ってフライト検索Webアプリを作成してください。ユーザーが便名を入力すると、出発・到着時刻を表示するようにしてください。データはモック(ダミー)のAPIを使用してください。
ステップ3:計画の承認と実行
指示を出すと、Antigravityはすぐにコードを書き始めるわけではありません。まず「Artifacts(成果物)」と呼ばれる計画書を作成します。
Antigravityは「Task List(タスクリスト)」と「Implementation Plan(実装計画)」を提示し、「これからこのファイルをこう変更します」とあなたに提案してきます。内容を確認し「Approve(承認)」をクリックすると、Antigravityのエージェントが一気にコードを書き始め、依存関係のインストール(npm installなど)も自動で行います。
ステップ4:Antigravity ブラウザによる自動テスト
ここがAntigravityの真骨頂です。コードの実装が終わると、Antigravityは内蔵されたChromeブラウザを起動します。
画面上に青い枠線で囲まれたブラウザが現れ、Antigravityのエージェントが自動的にマウスを動かし、フライト番号を入力して検索ボタンをクリックし、動作を検証します。Antigravityは、自分で書いたコードが正しく動くかを目視で確認し、その様子を録画してレポートとして提出してくれるのです。
もし修正が必要なら、例えば「モックデータの代わりに本物の航空APIを使って」とAntigravityに追加指示を出せば、エージェントはコードを修正し、再びブラウザでテストを行います。
Antigravity を使う上での注意点
非常に強力なAntigravityですが、現時点ではプレビュー版特有の課題もあります。
1. レート制限(Rate Limits) 現在、Antigravityは無料で使用できますが、Gemini 3 Proの利用には制限があります。複雑なタスクを連続してAntigravityに依頼すると、数時間利用できなくなることがあります。Googleは最近、Pro/Ultraサブスクライバー向けの制限緩和や、無料ユーザー向けの制限リセット期間の調整を行っていますが、Antigravityをメインで使う場合は注意が必要です。
2. ファイルの整合性Antigravityは自律的に複数のファイルを編集するため、稀にファイルの整合性が取れなくなったり、意図しないコードの削除を行ったりすることがあります。Antigravityを使用する際は、Gitでのバージョン管理をこまめに行い、いつでもロールバックできるようにしておくことを強く推奨します。
まとめ:Antigravityは試す価値があるか?
結論として、Antigravityは間違いなく試してみる価値があります。特に「Agent-first」というアプローチは、将来のプログラミングの形を先取りしており、非常に刺激的です。
何より、最高性能のGemini 3 Proモデルを搭載したAntigravityが無料で利用できるのは大きなメリットです。CursorやWindsurfといった競合ツールと比較しても、ブラウザ操作を含めたAntigravityの自律性は頭一つ抜けています。
まだ開発段階のツールではありますが、Antigravityは私たちの開発スタイルを劇的に変える可能性を秘めています。ぜひ皆さんも、Antigravityをダウンロードして、次世代のコーディング体験を味わってみてください。
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GPT-5.1-Codex-Max はコンテキスト圧縮で長時間タスクの記憶喪失を解消し、数百万トークンでも一貫性を維持。xhigh 推論や 30% 少ない思考トークンで Gemini 3 Pro を SWE-Bench などで上回り、24 時間以上の連続作業と Windows 対応、CLI での運用を実現。
Gemini 3 はハルシネーションから人間に近い判断ミスへ進化し、博士レベルの推論と世界最高クラスのマルチモーダル性能、Antigravity/Agent 連携で「指示すれば動くデジタル同僚」に近づいた。100万トークンのコンテキストでコードや長文も処理でき、ミスは判断の揺らぎに近く信頼しやすい。
